2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体触媒のイオン性液体中における新機能発現とその工学的応用
Project/Area Number |
06J09445
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 一紀 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | イオン液体 / 生体触媒 / ゲル固定化酵素 / 環境調和型プロセス / バイオコンポジット / 微粒子 |
Research Abstract |
イオン液体は室温で液体となる塩であり、有機溶媒のような揮発性がないため環境負荷の少ない次世代型グリーン溶媒としてその応用が期待されている。本研究では、イオン液体を酵素の新たな反応場として用いた新規酵素反応系の構築を行う。イオン液体は水に似た性質と有機溶媒に似た性質を併せもつ特異的な溶媒であるため、酵素反応の新規媒体として非常に興味深い。これまでの検討により、酵素をポリエチレングリコール(PEG)で化学的に修飾することにより、酵素のイオン液体への均一可溶化、および極めて高い酵素活性の発現に成功している。その触媒活性は有機溶媒中よりも高く、さらに酵素がイオン液体中で長期間安定に存在することも示され、イオン液体の酵素反応場としての有用性が明らかとなった。 これまでの結果を踏まえ、イオン液体と酵素からなる新規バイオコンポジット材料の開発を行った。このコンポジット材料はバイオセンサー素子、バイオ電池の電極酵素、機能性生体触媒材料としての応用が期待される。具体的には、酵素を封入したイオン液体ゲル微粒子を作製し、その調製法と酵素封入ゲル微粒子の触媒活性について検討を行った。イオン液体ゲル微粒子はW/Oエマルションを利用して、その内水相の重合性イオン液体および架橋剤を乳化重合することにより作製した。また、内水相に酵素を共存させて重合することにより酵素封入ゲル微粒子を調製した。また、モデル酵素としてHRP(西洋わさびペルオキシダーゼ)を選択し、くし型PEG修飾HRPを封入したイオン液体ゲル微粒子も同様の手法で調製した。ゲルに固定化されたHRPの活性を調査したところ、高い酵素活性を発現することが明らかとなり、その活性は一般的なポリアクリルアミドからなるゲル微粒子に固定化された酵素をはるかに凌ぐ触媒活性であった。この酵素封入イオン液体ゲル微粒子は再利用が可能であり、産業利用の観点からも非常に意義深い。
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Research Products
(12 results)