2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J09485
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平之内 俊郎 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 数論的基本群 / 高次元類体論 |
Research Abstract |
平成19年度は分岐制限付き基本群の研究について主に次の3つの成果が得られた。 1.Hermite-Minkowskiの定理の高次元化(原田新也氏との共同研究):数論的スキーム上のエタール被覆について数論的基本群の群論的な性質を考察することで、Hermite-Minkowski型の有限性定理が得られた.主にSGA1の降下理論及びホモトピー完全列を使う.有限体上の多様体の場合、「曲線上固有」なる仮定の下で、分岐制限つき被覆を考えることで同様の定理が得られた.これには分岐制限付き基本群のホモトピー完全列等,この基本群の基本性質を踏まえた結果である.またこの有限性定理のmod p Galois表現への応用も幾らか得られている. 2.局所体上の曲線の類体論:G. Wiesendの類群と斎藤秀司氏の不分岐類体論を考えることで新たに類群を定義し,これを用いて分岐も考慮に入れた標数零の局所体上の類体論が得られた.曲線が局所体上固有なとき,この類群はSK_1と呼ばれるK群になり,この場合が斎藤氏の不分岐類体論に他ならない. 3.負のK群の研究(望月哲史氏との共同研究):或るスキーム上の擬連接加群の完全複体の成す圏のWaldhausen K群がある完全圏のQuillen K群と一致する,というThomason-Trobaugh(1990)の結果をM. Schlitchingの負のK群,及びThomasonのBass K群を用いて,負のK群に拡張させることができた.この定理の応用として負のK群に関するWeibel予想やSchlitching予想への応用などについて進展が見られた.
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