2007 Fiscal Year Annual Research Report
動的ならせん構造を有する新規誘導適合型不斉触媒及び機能性分子の開発
Project/Area Number |
06J09504
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石塚 賢太郎 Kyoto University, 化学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | BINOL / 不斉反応 / 誘導適合型触媒 / らせん構造 / 機能性分子 |
Research Abstract |
1.BiBINOLを用いた新規誘導適合型不斉触媒の開発に関して,BiBINOL誘導体を各種合成して不斉反応の検討を行った.その結果,カルシウムイソプロポキシドと(R,R)-BiBINOLの錯体が,カルコン誘導体とニトロメタン及びマロン酸ジエステルの不斉マイケル付加反応を効果的に触媒することを見出し,最高で99%収率,>99%eeを達成した.また,3位の炭素上に求核性を有するピリジン置換基を導入したBiBINOL誘導体をメチルビニルケトンと芳香族アルデヒドとの不斉Baylis-Hillman反応に適用したところ,現在までに72%収率,60%eeで生成物を得ることに成功している. 2.BINOLオリゴマーの動的らせん構造を利用した機能性分子の開発に関して,主に以下の2点に関して研究を行った.(1)センシングの検出に有効なフルオロフォアであるピレン基をBINOLオリゴマーの3位に導入した誘導体を単量体から四量体まで各種合成し,それらのスペクトル解析を行った.特に,ピレニルメチル基を導入したBINOL三量体においてピレン基同士の特徴的な分子内エキシマー発光が強く観測され,それは半経験的分子軌道法計算による予想構造とも一致した.(2)BINOL三量体の単結晶は極めて興味深い構造を有しているが,その構造が空気中で不安定なため各種分析が極めて困難であった.そこで,CH-πやπ-π相互作用による安定化が期待される誘導体として,6位の炭素上にフェニル基を有するBINOL三量体の合成を行った.既知の方法を改良することでBINOLから6段階,通し収率41%で合成を達成し,現在再結晶条件を検討中である.
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Research Products
(3 results)