2007 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質合成調節因子トキシン/アンチトキシン(RelE/BelB)の構造機能相関
Project/Area Number |
06J09523
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 久徳 Kyushu University, 農学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | P.horikoshii / toxin-antitoxin / RelB / RelE / ribosome / DinJ / YafQ |
Research Abstract |
真正細菌および古細菌に存在するRelEは、リボソームに結合することにより翻訳過程のmRNAの切断を誘導するするタンパク質合成抑制因子である。我々は、超好熱古細菌由来RelEの結晶構造を決定するとともに、C末端近傍に位置するArg85をAlaに置換した変異体(R85A)がタンパク質合成抑制活性を消失していることを報告し、この残基の正電荷がリボソームとの結合に影響があることを示した。更に、別のTA systemである大腸菌由来のDinJ(antitoxin)/YafQ(toxin)との比較も行った。ToxinであるYafQはRelEと1次配列の相同性が20%以上と同じTA system同士のものとしては比較的高い相同性を持っており、構造や機能の類似性が示唆されている。そこで、DinJ/YafQ complex及びYafQを単離精製し、RelEと同様に大腸菌無細胞系のタンパク質合成抑制活性を調べた。その結果YafQはRelEと同様にタンパク質合成を阻害し、DinJによってその阻害活性が抑えられることが分かった。更にinvitroにおけるRNA切断活性を見たところ、RelEはリボソーム存在下においてのみRNAを切断するが、YafQに関してはリボソーム非存在下においてmRNA及びtRNAも切断可能であることが明らかとなった。一般的にTA systemにおいてtoxinはリボソームに依存しないでもRNAを切断できることが示唆されているが、RelEのみがリボソーム依存的にmRNAを切断すると言うことからRelEは他のTasystemとは全く異なった作用機構を有していることが示唆された。
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