2006 Fiscal Year Annual Research Report
光-熱変換により薬剤放出を制御する機能性金ナノ粒子の開発
Project/Area Number |
06J09527
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河野 喬仁 九州大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 金ナノ粒子 / ドラッグデリバリー / ナノゲル |
Research Abstract |
近年、金ナノ粒子など無機材料が機能性バイオマテリアルとして注目されている。棒状の金ナノ粒子である金ナノロッドは近赤外域(800-1,000nm)の強い吸収をもち、近赤外光照射による発熱といった特性を有している。また、近赤外光は生体へのダメージが非常に少なく非侵襲的な外部刺激として適している。本研究では、金ナノロッドを温度感受性ポリマーで内包したナノゲルを作製し、光刺激によって薬物放出を実現するDDSを提案する。金ナノロッドをpoly N-isopropylacrylamide(pNIPAAm)のナノゲルで修飾するため、その重合反応に耐えうるための表面を作製する必要がある。そこでまず金ナノロッドをシリカでコートすることを試み、シリカ表面をもつ金ナノロッドの作製に成功した。次に表面にメタクリル基を導入し、沈殿重合によりpNIPAMゲルで表面を被覆し、HF処理によりシリカを除去することで、金ナノロッド内包pNIPAAmナノゲルを得た。このナノゲルは金ナノロッド特有の近赤外域に強い吸収を持ち、金ナノロッドが安定に存在し、TEM観察により金ナノロッドがpNIPAAmゲルで内包されていることが認められた。NIPAMの濃度や架橋剤の濃度を変化させることでそのpNIPAMゲルの粒径を変化することを確認し、粒径の変化を容易に調製できた。また、このナノゲルが可逆的に温度によって相転移することも確認した。今後、近赤外レーザーを照射し、薬剤放出の有無を確認し、培養細胞、動物実験を重ねて、ドラッグデリバリーの可能性を検討する。
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Research Products
(1 results)