2006 Fiscal Year Annual Research Report
サル大脳皮質における感覚情報処理機構の電気生理学的解明
Project/Area Number |
06J09565
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 浩平 九州大学, 大学院医学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | パッチクランプ記録 / 大脳皮質 / サル / オシレーション / 体性感覚 / 痛み |
Research Abstract |
本研究の目的は、大脳皮質における高次脳機能を1と2に焦点を絞って明らかにすることである。 1、麻酔下および無麻酔下サル大脳皮質からのin vivoパッチクランプ記録法の確立、2、生理的感覚刺激によって誘起される応答をシナプスレベルで解析し、皮質における情報処理機構を明らかにする。無麻酔下かつ訓練されたサルを用いることによって、アクティブタッチ(自らが能動的に行動する。すなわち、運動系や視覚系からの入力のみでモノの材質の識別が先行して行われる)に起因する皮質の感覚応答の解析を行う。 以下の実験は、生理学会や疼痛学会だど国内外の学会の研究指針および倫理規定に従って行った。 (1)本年度の計画は、麻酔下サル大脳皮質からのin vivoパッチクランプ記録法の確立であった。 カニクイザルをモンキーチェアに少なくとも2時間から3時間は動かないように訓練した。その後、ケタミンおよびペントバルビタール麻酔下に脳固定用のリングおよび記録用チャンバーを取り付ける手術を行い、回復を待って慢性的実験の準備を行った。現在、ケタミンおよびペントバルピタール麻酔下でサルを記録用ステレオに固定し、大脳皮質からのパッチクランプ記録を試みている。 (2)さらに現在までに、幼若から成熟までのラット及びマウスの大脳皮質一次体性感覚野からウレタン麻酔下でin vivoパッチクランプ記録法を適用し、長時間安定した記録を確立した。大脳皮質一次体性感覚野の錐体細胞から記録すると、膜電位の周期的な活動が観察された。また、受容野へ触およびピンチ刺激を行い、その応答を解析した。これらのラットおよびマウスの結果と、サル大脳皮質細胞の膜特性及び感覚刺激によって誘発される性質を比較しようとしている。
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