2006 Fiscal Year Annual Research Report
siRNAライブラリーを用いた子宮内膜症バイオマーカーの探索と早期診断への応用
Project/Area Number |
06J09569
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 義弘 九州大学, 大学院医学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 子宮内膜症 / バイオマーカー |
Research Abstract |
(1)患者血清を用いた解析 本研究の実施施設において文書による同意の得られた20〜45歳の、正常月経周期を有し、卵巣嚢腫、不妊症または子宮付属器周囲癒着症により開腹手術または腹腔鏡下手術を施行する患者75名から末梢静脈血10ccを採取し血清を分離した。 月経周期の一致する子宮内膜症性嚢胞患者5例、子宮内膜症を有しない不妊症または子宮付属器周囲癒着症患者5例の血清を尿素により変性させた後サンプルを調製し、プロテインチップシステムPCS4000、金属イオンチップおよび陰イオン交換チップを用いて血清蛋白質の発現プロファイルの解析を行ったところ、子宮内膜症群と非子宮内膜症群の間に有意な発現差を認める複数のピークを確認した。 (2)正常子宮内膜と、子宮内膜症病変(異所性子宮内膜)における免疫染色による解析 本研究の実施施設において文書による同意の得られた20〜45歳の、正常月経周期を有し開腹時所見において子宮内膜症を認めなかった子宮筋腫患者4例及び子宮内膜症性嚢胞を有する患者14例からそれぞれ正所性子宮内膜、内膜症性嚢胞壁を採取しホルマリン固定後パラフィン包埋標本を作製、免疫染色を行った。 PI3K-Aktシグナル経路において、 Aktの下流に位置する転写因子であるFox01の発現が、正常子宮内膜に比し異所性子宮内膜において亢進していた。一方Fox03aの発現は、正常子宮内膜に比し異所性子宮内膜において低下していた。 同じくAktの下流に位置するリン酸化p70S6キナーゼの発現は、正常子宮内膜、異所性子宮内膜の間で変化が認められなかった。
|