2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規シグナル伝達抑制分子Spred/SproutyによるMAPキナーゼと骨代謝制御
Project/Area Number |
06J09583
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉賀 大午 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | VEGF / チロシンキナーゼ / ERK / 血管 / リンパ管 / ノックアウトマウス / 負の制御 / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
Spred/Sproutyファミリー分子はRas/Rafに結合して、チロシンキナーゼによるERK/MAP kinase活性化を抑制する調節因子である。Spredは哺乳類では3種類報告されており、我々はSpred1,Spred2それぞれのノックアウト(KO)マウスを作製し、解析を行ってきた。Spred-2欠損マウスは低成長であり、軟骨細胞に異常が認められた。またSpred-1欠損マウスでは頭蓋骨の形成異常が認められた。破骨細胞分化はSpred-1 KOマウスで亢進しており、KOマウスの低成長と関係を現在調べている。Spred1 KOマウスのsplenicosteoclastでTRAP陽性かつ多核の細胞が多くみられた。またマウス胎児繊維芽再棒(MEF)のprimary cultureを行い、各種増殖因子やサイトカイン刺激し運動性、シグナル伝達を検討中である。さらにSprouty4 KOマウスはback crossを進めながら、表現系を解析中である。また我々は同じくチロシンキナーゼ経路を正に制御する分子SH2-Bにも着目して研究を行っている。SH2-B欠損マウスではインスリンのシグナルが減弱しておりインスリン抵抗性を示した。さらに脂肪細胞分化を調べたところPPARγ転写因子の誘導が抑制されており脂肪細胞分化の顕著な抑制が認められた。この作用はSH2-BがAktのシグナルを増強する分子であることによって説明できる。さらにSH2-Bの樹状細胞(DC)における機能を検討した、RT-PCR, ELISAの結果、KODCではWTと比べてLPS刺激ではIL-6,TNFaが高く、CPG,polyIc刺激では差が認められなかった。DCの表面マーカーCD40,CD86,classIIは差がみられなかった。更にannexinV.PI染色によりDCのapoptosisを検討したが、差はみられなかった。更に細胞内のシグナル伝達についてWestern blotにて確認したが、CPG,polyIcでは顕著な差は認められなかったが、LPS刺激でSH2Bのband sift及びAktのリン酸化の減弱が認められた。その他のシグナルには大きな差はみられなかった。今後SH2-BのTLRシグナルにおける意義を明らかにしたい。
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Research Products
(2 results)