2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規人工調整肺サーファクタントの開発及びフッ素・ハイブリッド型への新たな展開
Project/Area Number |
06J09587
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中原 広道 九州大学, 大学院薬学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 肺サーファクタント / 表面張力 / 表面電位 / 蛍光顕微鏡 / ブリュースター角顕微鏡 / 呼吸窮迫症侯群 / 未熟児 / DPPC |
Research Abstract |
二種の部分フッ素化両親媒性物質(FCn)を人工調製肺サーファクタントに組込み、それらを気/液界面に展開しLangmuir膜の基本物性を系統的に測定した。これらの部分フッ素化両親媒性物質は、疎水性と疎油性を同時に有し、さらに温度安定性が高いというユニークな性質を示す。人工調製肺サーファクタントとして、DPPCとDPPC/Hel 13-5(肺サーファクタントタンパク質アナログ)混合物を用いた。DPPC単分子膜に対する添加効果は、 1.FCnの添加によってDPPC単分子膜の凝縮が妨げられるが、膜の崩壊後FCnは不可逆的にDPPC単分子膜から排出され、下相液側からDPPC単分子膜を安定化する。 2.長鎖FCnはDPPC単分子膜の凝縮を促進し、高圧においてDPPC単分子膜の充填剤として働き、膜の安走性を増加させる。 肺胞呼吸に見立てた圧縮・拡張過程において、Hel 13-5はDPPC単分子膜から脱着、吸着を繰り返す。FCnの添加によって、この現象は以下のように促進された。 1.FCnは膜の圧縮に伴ってHel 13-5と共にDPPC単分子膜から排出される。 2.長鎖FCnは、 Hel 13-5の排出現象を促進する。特に長鎖FCnを5-10wt%添加すると、高圧部においてDPPCと混合単分子膜を形成することにより著しい膜安定化作用を示した。 これらのことから、部分フッ素化両親媒性物質(特に長鎖FCn)の添加によって高価なHel 13-5を少量化でき、さらに人工調製肺サーファクタントの薬効の増大が期待できる。
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Research Products
(3 results)