Research Abstract |
1.ある二つの群におけるアイゼンシュタイン級数のある基本領域上の零点が,すべて下の境界の円上に乗ることを示した,三枝崎,重住との共著の論文がJ. Math. Soc. Japanに掲載された.2.モジュラー群SL(2,Z)に対するアイゼンシュタイン級数の零点の配置についての性質を示した論文が,Bull. London Math. Soc.に掲載が決定した.この性質とは,重さk+12のアイゼンシュタイン級数の連続する2点の円弧上の零点の間に,重さkのアイゼンシュタイン級数の円弧上の零点が必ず一つ存在しているというものだ.3.実既約鏡映群W(E_8),W(H_4)の軌道から得られる球面デザインについて,ここで得られるデザインが剛的でないことを証明した論文がEurop. J. Comb.に掲載が決定した.4.ユークリッド空間における有限集合Xで,Xの各元xに対して,A(x)をxとは異なる元とxとの内積の集合と定義する.すべての元xに対して,A(x)の元の個数がs以下となるとき,Xを局所s-内積集合と呼ぶ.局所内積集合の元の個数の上界はDeza-Franklによって証明されていたが,これをより簡明な方法で証明することに成功した.この証明を考察することで,局所s-内積集合の一般化として内部s-内積集合を定義した.ここで,局所s-内積集合と内s-内積集合の上界は等しくなる.上界を達成する例が,局所内積集合は自明なものを除いて一つしか知られていないが,内部内積集合では,堅いユークリッドデザインから,いくつか発見または構成することができる.このことから,この上界については内部内積集合の定義が本質的であると言える.ユークリッドデザインの元の下界が内部内積集合の上界と等しく,内部内積集合とユークリッドデザイン(または,その他の求積公式)との関係性が非常に興味深い.
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