2007 Fiscal Year Annual Research Report
竜巻発生の数値シミュレーション:下層初期渦の形成・強化メカニズム
Project/Area Number |
06J09713
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
下瀬 健一 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 気象 / 大気力学 / 数値予報 / データ同化 / 竜巻 |
Research Abstract |
我々は,現実場を初期値・境界値とした超高解像度の数値シミュレーションを行い,竜巻発生時における下層初期渦の形成・強化メカニズムの解明を目指している.近年,計算機の処理能力の向上により数値モデルの計算結果と実際に観測されたデータを同化する技術の開発が進んでおり,竜巻の数値シミュレーションの精度の向上にも非常に有用であることが期待される。この新しい手法を学ぶため平成19年1月から平成19年12月までの1年間,アメリ力合衆国・オクラホマ大学に研究留学し,データ同化手法を学んできた。 対流の発生の予報に関して非常に重要なデータである地表面付近の水蒸気量のデータが近年開発された新しい観測手法を用いて高解像度で観測できるようになったので,そのデータを数値モデルの結果と同化して数値予報の精度の向上を目指した。実際に観測したデータを同化したときのインパクトを見積もるために,仮想的な観測空間をコンピュータ上で再現し同化実験を行った。用いた手法は地表面のみの2次元変分法で新しい観測手法から得られるデータのみを数値モデルの結果に同化した。その結果,観測に誤差が含まれない場合には非常に高い精度で水蒸気量を推定できることがわかった。また,たとえ誤差を多く含む場合でも開発されたシステムは強固に働くことも確認された。このことから,開発されたシステムを現実の観測で使用した場合でも効果のある結果が得られることが予想される。これらの成果を現在論文としてまとめているところである。
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Research Products
(2 results)