2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J09742
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩木 稔 九州大学, 大学院農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 抗体 / 軽鎖交換 / ヒト型 / 多機能 |
Research Abstract |
本研究の一つ目の目的は、当研究室でこれまで明らかにしてきた軽鎖交換現象(抗体産生B細胞期において、本来発現していた軽鎖の産生がストップし、代わりに新たな軽鎖を発現する現象)における基礎的な分子機構を解明することである。また同時に、これらの軽鎖交換現象の利用による、ヒト型多機能抗体の創製およびその創製法の開発も本研究の目的である。 まず、軽鎖交換現象における基礎的な分子機構の解明を目的とした研究において、現在、エピジェネティクスを介したヒト抗体軽鎖遺伝子の発現制御に関する研究を進めている。また、ヒト型多機能抗体の創製に関する研究における本年度の研究計画は、抗原特異的抗体遺伝子を取得および触媒活性(タンパク質分解活性)付与のための抗体遺伝子の設計、および遺伝子工学的手法を用いた抗体軽鎖における特定領域と触媒の活性中心配列の組換えであった。実験の結果、当初の計画通りの抗体遺伝子の設計、および遺伝子の組換えを行うことができた。 また、2年目の計画である組換えにより得られた抗体遺伝子を抗体分子としてヒト細胞株で発現させるための発現ベクターの構築も完了することができた。現在、動物細胞に導入を完了し、タンパク質を発現する細胞のクローニングを行っている段階である。今後、タンパク質を多く発現する細胞をクローニングする為に、ELISA法を用いて測定し、発現させた抗体タンパク質のタンパク質分解活性の有無をペプチドMCA基質を用いて測定する予定である。
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