2008 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン表面上のマンガンとアンチモンの共吸着構造とその表面磁性の研究
Project/Area Number |
06J09776
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東 相吾 Kyushu University, 総合理工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 低速電子線回折(LEED) / 表面シリサイド / マンガン / アンチモン |
Research Abstract |
Si(111)上のMnの蒸着量を低速電子線を用いて精度よく見積もる方法を考案し、原子レベルで平坦な超薄膜の作製に成功した。以下詳細を述べる。Mnを室温蒸着後、熱処理すると、(√<3>×√<3>)R30°表面規則構造(MnSi超薄膜)が形成する。これまで作製されているMnSi超薄膜は、薄膜の高さ(厚み)に分布があり、原子レベルで平坦な表面ではなかった。そこで本研究では、原子レベルで平坦なMnSi超薄膜作製のため、MnSi超薄膜に由来する1/3次のLEEDスポットの強度を「蒸着量」と「熱処理温度」を変えながら測定し、スポット強度が最大になる条件を調べた。 単独蒸着では3ML蒸着後に250□で加熱することで、LEEDスポット強度が最大を示した。STMを用いて表面を観察したところ、約8割が原子レベルで平坦な秩序度の高いMnSi薄膜であった。 この条件で作製した表面のバンド分散を、東大物性研柿崎グループと協力しフォトンファクトリーBL18Aで測定した。一方で、九大の理論グループと協力してMnsi(B20)型モデルで第一原理密度汎関数法(VASP)により計算した結果と実験結果と比較した。両者の一致度の良いことから、MnSi超薄膜はB20型であると結論した。 原子レベルで平坦な、層分布の少ない表面を得る方法の確立に成功したので、その表面磁性を分子科学研究所横山GのXMCD装置を用いて評価した。7T(テスラ)、5KにおいてMn量10MLの超薄膜は明確なMCDシグナルを示した。磁化容易軸が面内にあることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)