2006 Fiscal Year Annual Research Report
フランス公法学において前法と後法の関係はどのように規律されてきたか
Project/Area Number |
06J09807
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 慎司 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 時際法 / 既得権 |
Research Abstract |
昨年度の申請時に予定していたとおり、2006年3月に東京大学大学院法学政治学研究科に「主権国家と制度体の自由」と題する学位論文を提出し、10月に学位を授与された。この間、研究予定で記したように、同論文の公表準備作業を行い、東京大学法学部の紀要である国家学会雑誌での公表が許された(「6.研究発表」の項目を参照)。 それと前後して、これもまた当初の予定どおり、2007年9月よりストラスブール第三大学で約半年間在外研究を行った。学位論文の内容について現地の研究者の意見をいただき、また、「研究課題」である時際法の問題についても資料を探索して研究を行った。具体的には、以下のとおりである。 第一には、都市計画法上の建築許可(permis de construire)の取消・撤回という論点を軸に研究を組み立てようとした。これは、前法に照らして違法な行政の行為が後法によって覆しえない権利・利益を生むという行政の行為の取消・撤回という現象に関心を抱き、併せて都市計画の場合、建築主の建築権(droit de construire)の性格を巡って議論が積み重ねられた経緯があったため、掘り下げて研究しうるかと考えられたからである。 第二は、時際法論一般と公法での時際法論の関係についての研究である。フランスでは時際法論は民法で蓄積されてきた。
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Research Products
(1 results)