2008 Fiscal Year Annual Research Report
アディポネクチン及びアディポネクチン受容体を介した糖尿病治療薬・食品の開発
Project/Area Number |
06J09837
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩部 美紀 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
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Keywords | アディポネクチン / アディポネクチン受容体 / AMPK / Debl / オスモチン |
Research Abstract |
現在、激増している糖尿病は、心筋梗塞・脳卒中発症のリスクを増大させる。当研究室では、アディポネクチン(Ad)が糖尿病の鍵分子であることを見出し(Nature Medicine7,941-946,2001)、その受容体を世界に先駆けて単離・同定した(Nature 423,762-769,2003)。さらにその受容体欠損マウスの解析により、Adとその受容体がインスリン抵抗性を改善させることを明らかにした(Nature Medicine,13,332-339)。 本研究では、(1)Ad受容体の特異的アゴニストを植物(果物・野菜)から抽出・精製し糖尿病の根本的治療薬・食品を開発する。既に、植物ペプチド、オスモチンが、立体構造上Adと相同性を持ち、受容体に結合してAMPKを活性化すること(Molecular Cell,17,171-180,2005)を明らかにした。平成20年度では、野菜・果実由来の素材の中から、AMPKを活性化する物質をスクリーニングし、候補物質を絞り、再現性を確認した。現在、有効成分について、同定を行っている。また、(2)Ad遺伝子の鍵転写調節因子であ新規Znフィンガー型転写因子Debl(Diabetes-relatad element binding protein)を脂肪細胞特異的に活性化する糖尿病・メタボリック症候群の根本的治療薬・食品を開発する。当研究室が同定した転写因子Deblの発現が肥満・糖尿病で低下することによりAdの発現が低下することから、Debl発現低下を抑制する薬剤が糖尿病の根本的治療薬・食品と成り得ることを明らかにした。また、Deblの発現が肥満に伴う酸化ストレスや炎症、ホルモンの変化によって抑制されることから、脂肪細胞特異的な抗酸化・抗炎症薬・食品が、Adの血中レベルを高めることにより、糖尿病の根本的治療法として有用である可能性が高い。平成20年度では、Adの血中レベルを上げる物質をスクリーニングし、再現性を確認し、有効成分について、同定を開始した。
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Research Products
(5 results)