2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織能を有する液晶性有機半導体材料の創製と機能開拓
Project/Area Number |
06J09863
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安田 琢麿 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 液晶 / 自己組織化 / 有機半導体 / π共役分子 / オリゴチオフェン / レドックス / 光機能 / ソフトマテリアル |
Research Abstract |
液晶は、秩序構造と動的特性を併せ持つ機能性ソフトマテリアルである。本研究ではπ共役分子に液晶性を付与するとともに、非共有結合性相互作用や分子のトポロジーを制御し超分子化学的な特性を利用して、分子の新しい集合構造の創製とその物性解明、機能化について検討することを主な目的としている。 超分子化学の分野において幅広く研究されているロタキサンやカテナンなどのトポロジカル分子に液晶性を付与することができれば、高い分子配向性と動的機能をもった新しい材料となることが期待される。双安定性[2]ロタキサンの両末端に液晶性発現およびストッパーとしての役割を担う樹状メソゲンを導入した分子を合成した。得られた化合物のサーモトロピック液晶性を偏光顕微鏡観察、示差走査熱量測定およびX線回折測定により調べたところ、広い温度範囲において分子が層状に配列したスメクチック液晶相を示すことがわかった。X線測定における層間距離と分子モデリングの結果はよい整合性を示した。また、レドックスによる分子のシトリング挙動をサイクリックボルタンメトリーおよび紫外可視吸収スペクトルにより明らかにした。 一方、代表的なレドックス性分子であるビオローゲンの液晶化も行った。ビオローゲン子の両末端に扇状のアルキル部位を導入することで、カラムナー液晶相を発現した。ビオローゲン誘導体は、酸化還元に伴い顕者な色調変化(エレクトロクロミズム)を示した。
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Research Products
(7 results)