2006 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー支持誘導結合プラズマの高エンタルピー風洞への応用と性能評価
Project/Area Number |
06J09885
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 信 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | レーザープラズマ / 誘導加熱風洞 / アーク風洞 / レーザー吸収分光法 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の通りである. 1.レーザー加熱風洞の基礎実験 本研究室が所持している2kW級炭酸ガスレーザーを用いて高エンタルピー気流を生成し,その作動特性及び気流特性を検証した.本研究ではアルゴン・酸素を作動ガスとして実験を行った.その結果,気流はレーザー強度の振動に起因して300〜500Hzで振動することがわかった.この振動周波数はスロート部の形状等に依存するものであり今後の研究課題である.またレーザー吸収分光法により気流の比エンタルピー,酸素解離度を計測し,本風洞によりほぼ完全解離した原子状酸素気流を生成することが可能であることがわかった. 2.アーク風洞,誘導加熱風洞診断 2006年度10月〜11月に渡り2ヶ月間、シュツットガルト大学航空宇宙システム研究所(ドイツ)に本研究室で開発したレーザー吸収分光システム(LAS)を持ち込み,アーク風洞,誘導加熱風洞気流診断を行った. (1)アーク風洞気流診断 本研究は現地にて急遽決まった共同研究であり高エンタルピー気流と磁場の相互作用を解明するものである.まず,アルゴン一様流の並進温度,数密度の空間分布を測定し,次に熱流束プローブ及び永久磁石を埋め込んだプローブを気流中に投入しプローブ周囲の並進温度,数密度分布を測定した.これにより磁場の影響を実験的に評価した.本研究成果は共同研究者(Andreas Knapp)による数値計算結果と比較・検証する予定である. (2)誘導加熱風洞気流診断 空気流,酸素流,窒素流の気流診断を行った.過去の研究では酸素流にしかLASを適用できなかったが,今回は空気流における酸素原子の吸収信号を検出することができた.これより空気流の比エンタルピーを推定した.一方,窒素流における窒素原子の吸収信号は検出できなかったため,今後,感度を向上させるためさらなる改良を施す必要がある.
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