2006 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiライブラリーを用いたメタボリック症候群関連遺伝子の網羅的解析と全容の解明
Project/Area Number |
06J09887
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 佐保姫 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
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Keywords | メタボリック症候群 / RNAIライブラリー |
Research Abstract |
メタボリック症候群は、耐糖能異常、高脂血症、高血圧などを合併し、その上流に共通した発症基盤として肥満を有する病態であり、動脈硬化性疾患の原因として注目されている。その基本はインスリン抵抗性(耐糖能異常)であると考えられているが、肥満とインスリン抵抗性との関連については(Yuan M, et al. Science 2001;Yamauchi T et al. Nature 2003)、未知の部分が多く残されている。本研究では、メタボリック症候群のメカニズムを分子レベルで明らかにするためにRNAiライブラリーを用い、in vitroでのライブラリースクリーニングの手法を確立し実行する事によって、メタボリック症候群に関連する新規の因子を同定しようと試みた。脂肪細胞へ分化することが知られている3T3L1細胞を用いて、脂肪細胞への分化を促進もしくは抑制するような遺伝子を同定するという方法を検討した。脂肪細胞分化の抑制や促進を定量化する方法が問題であったが、脂肪滴を蛍光標識し、核も同時に蛍光標識して核の数で脂肪滴の面積を割り返す事で標準化し、それらをIN Cell Analyzerを用いて定量化する方法を確立する事で、high throughputな機能解析が可能になった。この手法を用いてライブラリースクリーニングを施行し、RXRγ,Trpv2,RUNX, RAD family, Cdkn2,などいくつかの興味深い因子がピックアップされてきた。Trpv2はカプサイシンレセプターのfamilyであり、カプサイシンと脂肪細胞との関連に関して今までは中枢性βアドレナリン刺激によると考えられてきたが、末梢での反応も関与している可能性が示唆された。現在、細胞レベルでのカプサイシンへの反応の解析を行っている段階である。今後は、マウスを用いて、個体における局所的な反応の解析も予定している。RADに関しては、九州大学からのご提供によりヘテロノツクアウトマウスを入手し、今後in vivoでの解析を行う予定をしている。今後は、他の因子に関しても、詳細な解析を進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)