2008 Fiscal Year Annual Research Report
人間言語における倫理形式の派生アルゴリズムの解明およびその多角的検証
Project/Area Number |
06J09919
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 将一 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 補文 / 文主語 / トピック / コピー理論 / 移動 |
Research Abstract |
英語のthat節に代表される補文は、基底生成された位置では、CPと分析されている。しかし、補文は文主語構文及び、トピック構文で移動した場合、補文が残した痕跡はDPの特性を示すという一般化が指摘されていた。この補文の統語範疇のミスマッチに対しては、音形を持たないDP作用詞の移動が上述の構文には関与しており、補文は表層位置に基底生成されるという分析が提案されていた。本研究では、文主語構文及び、トピック構文で観察されるreconstruction効果を、作用詞の移動を用いた分析に対する反例として提示した。文主語構文及び、トピック構文で観察されるreconstruction効果は、これらの構文で、補文が実際に移動していることを示している。本研究は、補文が移動した場合には必ず音形を持たない決定詞を伴わなければならないと提案した。また、補文が移動しない場合には、決定詞が認可されないとも提案した。これにより、移動した補文と移動しない補文との間の統語範疇のミスマッチを導き出すことが可能となる。補文が移動した場合にのみ音形を持たない決定詞が存在しなければならないという構造的必要性は、コピー理論においてコピーを解釈するためのメカニズムの特性から導き出すことができると提案した。上述のように、文主語構文及び、トピック構文ではreconstruction効果が観察されるが、これらの構文では、anti-reconstruction効果も観察される。この事実は、Takahashi(2006)、Takahashi and Hulsey(to appear)で提案されているWholesale Late Mergerを採用することで説明することができると主張した。
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Research Products
(7 results)