2008 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙相転移における磁場揺らぎの生成および大域的な宇宙構造の形成と進化の解明
Project/Area Number |
06J09940
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市來 淨與 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 助教
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Keywords | 宇宙物理 |
Research Abstract |
天文観測技術の向上により、銀河、銀河団という非常に大きな天体スケールで磁場が普遍的に存在していることが観測的に明らかになっている。当該年度では、宇宙の初期から磁場が存在していた場合に、宇宙の大規模構造に与える影響を調べ、実際に観測と比較することにより制限を与える、という研究を行った。また、密度揺らぎの時間発展において、これまで無視されていた、磁場が存在する下で、非相対論的物質の密度揺らぎの影響を調べ、この効果が実は無視できないことを示した。この成果は現在学術誌に投稿中である。 線形摂動2次の効果で初めて現れる磁場生成以外の効果についても研究を進めた。ここで私は、密度密度揺らぎから摂動2次の効果で生成される重力波の大きさ、およびその成長の様子を数値計算によって初めて詳細に計算した昨年度の成果を基に、この重力波によって遠方の銀河が見かけの形を変える効果の大きさを計算した。その結果、残念ながら将来計画されている観測では、この効果は検出が不可能であるほど小さいことが分かった。この成果はPhysical Review D誌に掲載された。
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Research Products
(13 results)