2006 Fiscal Year Annual Research Report
国際深海掘削計画に向けた、熱年代学による断層帯の形成史解明-台湾島を例にして
Project/Area Number |
06J09955
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 雅紀 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シュードタキライト / 断層摩擦発熱 / フィッショントラック法 / 台湾集集地震 / 断層掘削 / 車籠埔断層 / ウラン鉛法 / ウランヘリウム法 |
Research Abstract |
(1)ボーリングコアを用いた鉛直方向の熱年代分析 1999年に発生した台湾集集地震の際に動いた車籠埔断層を対象に、2005年に掘削されたボーリング試料の採取を行った。採取した試料は断層(1137m)を中心に全10試料で、内訳は以下の通りである:1. 1069.4-1069.8m,2. 1091.1-1091.5m,3. 1100.5-1100.9m,4. 1120.5-1121.0m,5. 1130.9-1131.3m,6. 1149.7-1150.0m,7. 1161.6-1162.0m,8. 1171.2-1171.6m,9. 1204.2-1204.5m,10. 1262.9-1263.3m.コア試料はすべて砂泥質であった。このうち、試料2,5,8,10については鉱物分離を行い、フィッショントラック分析、ウラン鉛年代測定、ウランヘリウム年代測定に必要なジルコンとアパタイトを分離抽出することに成功した。 (2)ミクロ断層熱年代分析-断層の活動履歴解析- ミリメートルスケールでのミクロ断層熱年代分析を行うため、Murakami et al.(2006)によるジルコンフィッショントラック高温短時間加熱実験データを元に、短時間加熱現象を対象にしたフィッショントラックカイネティクスを構築した。その成果はChemical Geology誌で公表された(Yamada et al.,2007)。また、野島断層を例に、断層岩を用いたフィッショントラック分析結果(Murakami and Tagami,2004)から断層発熱帯の温度と幅を見積もり、断層岩のミクロ熱年代分析から断層の応力を見積もることに成功した。 この成果については現在論文を執筆中である。
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