2007 Fiscal Year Annual Research Report
国際深海掘削計画に向けた、熱年代学による断層帯の形成史解明-台湾島を例にして
Project/Area Number |
06J09955
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 雅紀 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シュードタキライト / 断層摩擦発熱 / フィッショントラック法 / 台湾集集地震 / 断層掘削 / 車籠埔断層 / ウラン鉛法 / ウランヘリウム法 |
Research Abstract |
1、ボーリングコアを用いた鉛直方向の熱年代分析 1999年に発生した台湾集集地震の際に動いた車籠塘断層を対象に、2005年に掘削されたボーリングコア試料の追加採取を行った。採取されたすべての試料(10試料)の鉱物分離を行い、年代測定に必要なジルコンとアパタイトの分離抽出を完了した。一部のジルコン試料については予察的にエッチングを行い、フィッショントラックの観察を行った。その結果、フィッショントラック熱年代測定に十分なトラック密度があることが確認された。 ボーリングコアで認められる温度異常は熱流体に因るものと考えられるため、断層帯における流体の挙動を把握することはとても重要である。同断層で2006-2007年にかけて行われた注水実験のデータを用いて透水率の見積もりを行った結果、断層帯の透水性が野島断層より低いことが分かった。そのほか、試料の比熱測定も行い、熱計算に必要な物性値を得た。 2、ミクロ断層熱年代分析-断層の活動履歴解析- 野島断層のフィッショントラック分析結果(Murakami and Tagami,2004)を用い、断層の勇断応力を見積もった。断層が運動に伴って摩擦発熱を起こし、熱が拡散していく過程は非常に短時間で進行する。そのため、短時間加熱現象に敏感なフィッショントラック法と断層が運動しながら摩擦熱を拡散していくLachenbruch(1986)のモデルとを組み合わせることで、より現実に近い断層帯の発熱現象を見積もることができた。この成果については、現在投稿準備中である。 2、ミクロ断層熱年代分析-断層の活動履歴解析- 野島断層のフィッショントラック分析結果(Murakami and Tagami,2004)を用い、断層の勇断応力を見積もった。断層が運動に伴って摩擦発熱を起こし、熱が拡散していく過程は非常に短時間で進行する。そのため、短時間加熱現象に敏感なフィッショントラック法と断層が運動しながら摩擦熱を拡散していくLachenbruch(1986)のモデルとを組み合わせることで、より現実に近い断層帯の発熱現象を見積もることができた。この成果については、現在投稿準備中である。
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