2008 Fiscal Year Annual Research Report
異なる生物種間を越えて伝播するRNAiの分子育種学的応用研究
Project/Area Number |
06J10008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三木 大介 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 遺伝子発現 / ジーンサイレンシング |
Research Abstract |
RNAiはmRNA発現を特異的に抑制する分子機構であるが、同時に相同なゲノム配列に対してエピジェネティックな影響を及ぼすことが知られている。しかし、このような知見は、RNAiの二次的な影響であると考えられ、本格的な研究が進んでいるとは言い難い。よって我々はRNAiを引き起こした形質転換イネにおいて、そのエピジェネティックな影響について解析を行った。相同なDNA配列には、CpG特異的なDNAメチル化が誘導され、さらにsiRNAが検出されない周りの配列にもDNAメチル化が広がっていることが示された。しかし、CpG配列特異的なde novo DNAメチル化が誘導されているにもかかわらず、このメチル化はOsMet1には非依存的であり、さらに顕著なクロマチン修飾もまた見られなかった。これらのことから、RNAiに伴うエピジェネティックな影響は、DNAメチル化のみであり、同じsiRNAがシグナルとなっているにもかかわらずヘテロクロマチン領域とは大きく異なることが明らかとなった。 RNAiは相同なゲノム配列にde novo DNAメチル化を誘導するが、RNAiが起きていない状況において内在のDNAメチル化レベルは一定に保たれている。これは、de novo DNAメチル化と能動的なDNA脱メチル化が起きており、そのバランスが保たれている事による。Arabidopsisでは、このバランスが崩れDNAが高度にメチル化する変異体がいくつか同定されているが、これらの高メチル化領域は、ある一定の領域に保たれており、この配列特異性がどのように決定されるかは未知であった。我々は、ros3変異体の解析を行ったところ、ROS3がRNA結合タンパク質をコードしていることが示された。さらに、ROS3と結合したRNA(低分子量RNA)が、ROS1や他のDMLsによる能動的DNA脱メチル化の配列特異性を決定していることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] ROS3 is an RNA-binding protein required for DNA demethylation in Arabidopsis2009
Author(s)
Zheng X, Pontes O, Zhu J, Miki D, Zhang F, Li WX, Iida K, Kapoor A, Kyozuka J, Pikaard CS, Zhu JK.
Organizer
日本植物生理学会年会
Place of Presentation
名古屋大学
Year and Date
2009-03-23
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