2006 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニケーションによる内生的規範形成に関する実験研究、およびその理論的考察
Project/Area Number |
06J10038
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山森 哲雄 東京大学, 大学院経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ゲーム理論 / コミュニケーション / 実験経済学 |
Research Abstract |
今年度、研究課題に関する実験を3回実施した。実験の詳細はそれぞれ以下の通りである。 (1)独裁者ゲームの実験(実施場所:函館未来大学) 私が函館未来大学で過去に実施したコミュニケーションに関する実験では、ゲームにおけるプレイヤーの立場の違いに応じて、コミュニケーションの効果が異なることを検証したが、コミュニケーションの効果、それ自体を検証することができなかった。今回、コミュニケーションが不可能な通常の独裁者ゲームの実験を実施することで、コミュニケーションの有無が、独裁者ゲームの結果に影響を及ぼすことが確認された。具体的には、コミュニケーションがある場合には、コミュニケーションが無い場合に比べ、より公平な配分が達成されることがわかった。 (2)独裁者ゲームの実験(実施場所:東京大学) この実験を実施した理由も(1)と同様である。つまり、過去に東京大学で実施したコミュニケーションに関する実験と比較することで、コミュニケーションの効果、それ自体を検証するために実施した。ただ、こちらの実験では、コミュニケーションの効果を有意に確認することができなかった。 (3)中立的判断と行為の連関性に関する実験(実施場所:亜細亜大学) この実験は、被験者が第三者として持っている中立的な判断と、彼が利害関係者となった場合に実際に選択する行動との間に、いかなる関係があるのかを検証する目的で実施した。予定していた被験者数の半分程度が参加しなかったため、検定に十分な数のデータを得ることができなかったが、中立的な判断と実際の行為との間には正の相関関係が見られた。
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Research Products
(1 results)