Research Abstract |
2006年6月5日の東京大学経済史研究会における口頭発表「フラン圏通貨委員会とEEC設立交渉-フラン圏の金融史的意義をめぐって-」では,EEC設立交渉において定義されたフラン圏の通貨・金融政策上の位置づけを,フラン圏通貨委員会史料に基づいて実証した。 2006年度より政治経済学・経済史学会事務局委員に就任した関係から,春季総合研究会(於東京大学,6月24日)の記録作成を同学会研究委員会より委嘱され,「2006年度春季総合研究会報告:『共同体の基礎理論』を読み直す-共同性と公共性の意味をめぐって-」(『歴史と経済』第193号,2006年)を執筆した。 8月下旬から10月下旬にかけて,国際経済史コングレス(於ヘルシンキ大学)参加,イギリス・LSE, PRO, BOE,イタリア・HAEU,スイス・モネ財団史料館,スイス・BIS,ルクセンブルク・EIBにおける史料の調査・収集を主内容とする在外研究を行った。 帰国直後に,『ヨーロッパ統合と国際関係』(日本経済評論社,2005年,木畑洋一編,分担執筆)の増刷が決定したため,ただちに校正作業を開始し,12月15日付で第二刷刊行に至った。 2007年1月27日の名古屋大学経済学研究科セミナー(主催・名古屋大学経済学研究科/後援・社団法人キタン会)における口頭発表「フラン圏通貨委員会とヨーロッパ統合-フラン圏はいかに定義されたか-」では,フランス銀行を頂点とする通貨・金融政策圏としてのフラン圏の制度的変遷を,EPU設立期およびEEC設立期に着目しつつ,BIS史料に基づいて実証した。 『大塚久雄『共同体の基礎理論』を読み直す』(日本経済評論社,2007年4月刊行予定,小野塚知二・沼尻晃伸編著,分担執筆,受理・印刷中)では,ユダヤ人ピエール・ユーリの人物像を彼の共同体論とともにHAEU史料をもとに明らかにしつつ,古典の再読を試みた。
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