2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゲージ理論との双対性に基づいた超弦理論の非摂動論的定式化の研究
Project/Area Number |
06J10105
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三輪 光嗣 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 素粒子論 / 超弦理論 / AdS / CFT対応 / ホログラフィー / Dブレイン / ウィルソンループ |
Research Abstract |
今年度、私達は昨年の研から引き続きAdS/CFT対応と呼ばれるゲージ理論と超弦理論の間の対応におけるウィルソンループ演算子の研究を行った.ウィルソンループ演算子は、ゲージ理論と超弦理論の対応を議論する上で重要な役割を果たす演算子であり、ゲージ理論や行列模型を用いて超弦理論の非摂動論的性質を議輪する際も重要となることが期待される。昨年度の研究で私達は局所演算子が挿入されたウィルソンループ演算子の期待値を、重力理論を用いて計算する手法の研究を行った。そこで得られた重要な理解は、この演算子の重力理論での対応物は、トンネリング測地線と呼ばれる軌跡に沿って伝搬する弦であるということであった。今年度は私達はこの研究を次元の高い表現のウィルソンループ演算子の研究に拡張した。次元の高い表現を考えることで、非平面図を含んだレベルでのAdS/CFT対応を議論できることが知られており、我々の研究もこうした点を一つの目標としていた。次元の高い表現のウィルソンループ演算子に関しては、その対応物としてトンネリング測地線に沿って伝搬するD3ブレインを考えるのが自然である。私達は、既に知られていた解に対して適当な座標変換を施すことで、トンネリング測地線に沿って伝搬するD3ブレイン解を構成した。また、この解の作用を評価することで、ウィルソンループの期待値が、非平面図の寄与も含めて再現されることを確認した,また挿入された局所演算子の相関関数部分も正しく再現された。さらにはD3ブレイン解の幾何学的構造および角運動量を詳しく調べることで、我々が考えているD3ブレイン解がspikeD3ブレイン解と、dual giant graviton解と呼ばれる二つの1/2BPS解を近似的に組み合わせた構造を持っていることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)