2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J10141
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯塚 怜 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シャペロニン / 古細菌 / 1分子蛍光イメージング |
Research Abstract |
1.高温条件下での1分子蛍光イメージング系の確立 研究対象とする超好熱性古細菌Thermococcus sp. strain KS-1(T.KS-1)由来シャペロニンの機能を1分子レベルで詳細に捉えるために、高温条件下における1分子蛍光イメージングの実現を目指した。観察試料のインキュベート方法等を検討することから、50℃における1分子蛍光イメージングを実現した。またT. KS-1シャペロニンの機能発現を引き起こす構造変化を局所的に可視化することを目指し、蛍光色素1分子の偏光検出を行える観察系を確立した。確立した観察系を組み合わせることで、基質タンパク質を取り込む空洞部分の蓋構造の開閉を1分子レベルで可視化することに成功した。今後はこの構造変化を詳細に記述することから、従来の構造評価方法では十分説明することはできなかった機能との因果関係を明らかにしたいと考えている。 2.基質タンパク質のフォールディング反応観察系の確立 T. KS-1シャペロニンの基質となるタンパク質を部位特異的に蛍光標識するため、5種類のタンパク質の遺伝子のクローニングをし、大量発現系及びシステイン残基を導入した変異体の構築を行った。また生理活性を保持したまま蛍光標識及び観察基盤に固定化できるような、T. KS-1シャペロニン変異体の作成及び調製を行った。次年度はこれらを利用して、T. KS-1シャペロニンによるフォールディング反応の可視化を試みる。 3.プレフォルディンがシャペロニンによるタンパク質フォールディング反応に与える影響 T.KS-1よりプレフォルディン遺伝子を新規にクローニングし、その機能解析を行った。その結果、T. KS-1シャペロニンと協調的に機能することが明らかとなり、表題にある問題に取り組むためのよい材料を獲得できたと考えている。現在,この研究成果をまとめた論文の作成を進めている。
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