2007 Fiscal Year Annual Research Report
高速視覚フィードバックを用いた微生物群による能動的マイクロセンシングデバイス
Project/Area Number |
06J10217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾川 順子 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 微生物 / マイクロセンサ / マイクロデバイス / ゾウリムシ / 電気走性 / 軌道計画 / 3次元制御 / インタラクション |
Research Abstract |
本研究は微生物を「自律性,能動性,適応性を有する多機能で高性能なマイロデバイス」として捉えることにより,微生物群の生理機能や協調関係を積極的に利用し,外部からの動的制御により微生物系にプログラマブルなセンシング機能を付加した,能動的マイクロセンシングシステムの実現を目的とするものである 本年度は微生物センシングシステムの実現可能性を実験的に検証するとともに,付随分野について検討をすすめた.具体的には, 1.ゾウリムシから抽出したセンシング情報をフィードバックするセンサフィードバック実験を進めた. 2.ゾウリムシ数理モデルを元に,Lyapunov法を用いた軌道計画手法を昨年に引き続き検討し,数値実験により高い収束性を示した. 3.微生物トラッキングシステムをさらに改良し,ゾウリムシ遊泳運動を以前より安定して高感度で計測できるようになった. 4.微生物トラッキング顕微鏡をホヤ精子に対しても応用し,ゾウリムシよりさらにトラッキング困難な対象に対しても有用であることを確認した. 5.ゾウリムシ電気走性の3次元データ取得手法,および3次元制御手法を確立し,1自由度および2自由度の運動制御実験に成功するとともに,3次元空間内へのトラップなどを実現した. 6.Triton X-100 モデルの作成やエタノールショック等の基本的な実験技術を習得し,ウェット実験手法の実現可能性を検討した. 7.微生物のマイクロセンシング機能・運動制御技術をさらに一歩すすめ,人間と微生物の自在なインタラクションを創出するための基礎実験を行った.ゾウリムシの運動を体現するアバタロボットにより,ユーザと微生物間の豊かな実世界インタラクションを実現した.
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Research Products
(11 results)