2007 Fiscal Year Annual Research Report
病原体糖脂質認識における細胞膜脂質マイクロドメインの役割についての検討
Project/Area Number |
06J10234
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷村 奈津子 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ラフト / 脂質修飾 |
Research Abstract |
病原体糖脂質(Lipopolysaccharide; LPS)受容体であるTLR4は、その細胞外のロイシンに富んだ領域に会合するMD-2と共役してリガンドを認識し、炎症性サイトカインの産生及び1型インターフェロンの産生といった免疫応答を誘導する。TLR4はその細胞内領域に4つのアダプター分子を動員することでシグナルを伝達している。4つのアダプター分子は2組に分けることができ、1つ目はMyD88とTIRAPであり、炎症性サイトカインの産生に必須のシグナルを担っている。他方はTRIFとTRAMであり、こちらはインターフェロンの産生に必須であり、また炎症性サイトカインの産生にも影響を及ぼしている。このことは既にこれら分子のノックアウトマウスが作成され解析されていることから明らかとなっている。これら4つのアダプター分子のうち、TRAMについてはその特徴的な蛋白質のアミノ末端のアミノ酸配列から分子が飽和脂肪酸であるミリスチン酸によって修飾を受けることが予測される。本研究では病原体糖脂質と細胞膜脂質マイクロドメイン(ラフと)の関係を検討することを目的としている。ミリスチン酸により分子修飾は典型的なラフと移行ミグナルであり、TRAMを介したミグナル伝達はラフとと大きさなかかわりを持つことが示唆された。このことから、我々はLPS刺激時のTRAMの動態について詳細な検討を行った。その結果、TRAMはLPS刺激によってGPI結合によって同じくラフとに局在するCD14依存して細胞内局在を変化させることを発見した。この結果は、2008年3月にRoles for LPS-dependent interation and relocation of TLR4 and TRAM in TRIF-signaling. と題してBiochem Biophys Res Commun.誌に投稿、発表するに至った。
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Research Products
(4 results)