2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規細胞質型ホスホリパーゼA2のクローニングと機能解析
Project/Area Number |
06J10445
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大戸 貴代 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 脂質生物学 / ホスホリパーゼA2 / 生理活性脂質 / 精巣上体 / 雄性ホルモン |
Research Abstract |
新規マウス細胞質型ホスホリパーゼA_2(cPLA_2)遺伝子群(cPLA_2delta, epsilon, zeta)の酵素学的解析と生体内機能の推定を目的とし研究を進めている。生体内機能を推定するために定量的PCRを行い、詳細な臓器・組織発現分布を明らかとした。その結果、cPLA_2zetaが精巣上体で特に強い発現を示す事が分かった。精巣上体は精子を成熟させる器官であり、その機能は主にテストステロン、ジヒドロテストステロン等の雄性ホルモン調節下にあることが知られている。(1)性成熟の前後における精漿上体でのcPLA_2zetaの発現量を比較した結果、幼体マウスよりも成体マウスで高いことが分かった。(2)精巣摘出による血中の実効的な雄性ホルモン濃度の低下が精巣上体におけるマウスcPLA_2zetaの発現におよぼす影響について検討をおこなった結果、精巣摘出4日後にはcPLA_2zetaのmRNA発現量が定常状態の1/5程度に低下すること、またジヒドロテストステロンの連日投与により精巣摘出後のcPLA_2zetaの発現低下が回復することが分かった。以上の結果より、cPLA_2zetaの発現は雄性ホルモンにより直接的もしくは間接的に制御されていると考えられる。 また、ウサギ抗マウスcPLA_2zetaポリクローナル抗体を樹立した。今後、樹立した抗体を用いて精巣上体でのタンパク質発現変動、免疫組織染色などを行う予定である。
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Research Products
(2 results)