2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J10450
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮川 卓 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナルコレプシー / ゲノムワイド関連解析 / アフィメトリクス / 500K GeneChip / Replication study |
Research Abstract |
アフィメトリクス社の500K GeneChipは約50万にも及ぶSNPをタイピングできる反面、全てのSNPが正確にタイピングされる訳ではないことが知られている。そのため、この GeneChip を用いた研究を行う際は、正確さに欠けるSNPの結果を排除(データクリーニング)することが重要となるが、現在のところその明確な方法は見出されていない。そこで、健常者サンプル389例の結果を用いて、アフィメトリクス500K GeneChipの評価を行い、データクリーニング方法について検討した。その結果、適切な排除方法を見出すことに成功した。 ナルコレプシーの疾患感受性遺伝子探索のため、日本人集団におけるナルコレプシー患者(ケース)222例と健常者(コントロール)389例を用いて、ゲノムワイド関連解析を行った。タイピング後に、前述したデータクリーニングを施行し、疾患との関連が期待される30個の新規候補SNPを選別した。それら候補SNPの再現性を確認するため、独立したサンプルセット(ケース159例、コントロール190例)を用いた関連解析(Replication study)を行い、一つのSNP(マーカーTM22.1)において再現性が確認された。両解析を統合した結果のP値及びOdds ratioは4.4×10^<-7>及び1.79であった。TM22.1の周辺に存在する多型を用いた解析により、TM22.1を含む連鎖不平衡ブロック内に存在する二つの遺伝子を見出した。次にTM22.1がこれらの遺伝子の発現量に影響を与えるか検討した。両遺伝子のmRNAの発現量をリアルタイムRT-PCRを用いて定量し、TM22.1の遺伝子型(TT及びTC)間で比較した。その結果、TC群で両遺伝子のmRNAの発現量の有意な低下を確認した。本研究で見出されたナルコレプシーの疾患感受性遺伝子は、治療薬の開発に重要な貢献をなすと考えられる。
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