2006 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性疾患におけるIL-17ファミリー遺伝子とIL-17産生性T細胞の役割の解析
Project/Area Number |
06J10456
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石亀 晴道 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | サイトカイン / インターロイキン / 自己免疫疾患 / アレルギー / 細菌感染 |
Research Abstract |
最近、IL-17を産生するCD4+T細胞は、IFN-γを産生するTh1細胞でもIL-4を産生するTh2細胞でもない新たなT細胞サブセット(Th17)であることが分かり、このTh17細胞が自己免疫疾患や感染防御に重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。さらに、IL-17ファミリーの中で最もIL-17と相同性の高いIL-17FもTh17細胞から産生され、炎症性疾患の発症に重要な役割を果たしていると考えられているが、生体内におけるIL-17Fの役割はほとんど分かっていない。本研究は、免疫応答におけるIL-17とIF-17Fの機能的特異性や重複性を明らかにすることを目的として、新たにIF-17F欠損、IL-17/IF-17F欠損マウスを作製し、T細胞依存性免疫応答や細菌感染の生体防御におけるIF-17AとIL-17Fの役割について解析した。遺伝子欠損マウスの解析から、IL-17FではなくIL-17が実験的自己免疫性脳脊髄炎や遅延型過敏症、接触型過敏症、IL-1 レセプターアンタゴニスト欠損マウスに自然発症する自己免疫性関節炎といった炎症性疾患の発症に重要であることを明らかにした。一方、マウス病原性大腸菌であるCitrobacter rodentium感染や日和見感染菌であるStaphylococcus aureusの局所感染においては、IL-17とIL-17Fのどちらもが生体防御に重要であることを明らかにした。今後、IL-17とIL-17Fの機能的特異性や重複性の分子メカニズムについて解析していく予定である。
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