2006 Fiscal Year Annual Research Report
たんぱく質一分子の制御と評価を目指すマイクロデバイス
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06J10498
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新田 英之 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Single molecule / nano-microsystem / Rad51 / DNA / GFP |
Research Abstract |
昨年度より引き続きキュリー研究所のViovy教授のグループにて、Rad51蛋白質の相同組み換え機構に関する研究を行った。この過程は発生学や癌の研究などへの応用が期待されるため、生物学的に大変重要である。Viovy教授のグループでは既にRad51蛋白質の実験系があり、いくつかの研究がなされていたが、今回の滞在中に、Rad51蛋白質がDNAをねじる過程をリアルタイムで測定できる全く新しい測定系を1から立ち上げた。その測定系を用いて生物学的成果も得られており、Rad51蛋白質が大きなトルクを発生することや、DNAをねじる際一分子の仕事に対応するシングルステップの観測にも成功した。それらの成果は生物学において大変インパクトの高いものであると確信している。Viovy教授の判断によればこの成果はNature, Science, PNASなどの一流雑誌に相応だと思われる。帰国後もキュリー研究所とのコラボレーションを保ち続けており、現在論文投稿のための原稿を作成中である。1年で結果を出すのは不可能と言われる生物物理の研究を1から立ち上げてインパクトの高い成果を出し論文出筆まで至ったことは異例の快挙といえる。 また11月より帰国後はF.Gillot博士と共同で、msオーダの応答速度で温度を制御できるマイクロヒータを製作し、そのヒーターをDNAやGFP蛋白質などの生体物質への応用実験を行っている。帰国後数週間でGillot博士と当分野で主要な国際会議であるTransducers2007国際会議へのabstractを提出し口頭発表にて採択され、また3月には第一著者で同じく主要な国際会議であるmicroTAS2007へのabstractを提出するなど、研究進行状況は円滑であると判断される。
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Research Products
(1 results)