2007 Fiscal Year Annual Research Report
たんぱく質一分子の制御と評価を目指すマイクロデバイス
Project/Area Number |
06J10498
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新田 英之 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マイクロヒータ / 蛋白質変性 / DNA / 蛍光蛋白質 |
Research Abstract |
年度前半は昨年度より引き続きF.Gillot博士と共同で、msオーダの応答速度で温度を制御できるマイクロヒータを製作し、そのヒーターの特性評価を行った。そのヒータを用い、インターカレーター(サイバーグリージ)とDNAの複合体にmsの時間スケールで熱ショックをあたえることにより、複合体の退色にかかる時間を数ミリ秒の時間スケールで計測することができた。年度後半は、このマイクロヒーターとシリコンゴム(PDMS)を用いて製作した格納容器を用い、緑色蛍光蛋白質、赤色蛍光蛋白質などの生体物質に関しても同様の実験をおこなった。これらの蛍光蛋白質は変性すると退色するため、蛍光輝度を測定することにより変性過程を観察することができる。結果、赤色蛍光蛋白質が変性する時間は10ms程度であることがわかり、また緑色蛍光蛋白質に関してはその強い熱耐性から予測したように 100 msの時間スケールで変性することが確認された。またその退色過程が2次系応答であり、変性が2段階で起こるという生物学的に面白い現象を観測することができた。 それらの結果を論文としてまとめて国際誌に提出した。また学位論文を出筆し、3月24日付けで学位を取得した。また共同研究者らによる論文などが相次ぎ国際誌から採択されるなど、順調に研究がすすんだと判断される。
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Research Products
(1 results)