2006 Fiscal Year Annual Research Report
サブハライドを利用したチタンの新製造プロセスの開発
Project/Area Number |
06J10586
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹田 修 東北大学, 大学院工学研究科, 助手
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Keywords | チタン / サブハライド / 高速・連続製造法 / 製錬 / マグネシウム熱還元 |
Research Abstract |
軽量かつ高強度,高耐食性といった優れた特性を有するチタン(Ti)は,現在,四塩化チタン(TiCl_4)のマグネシウム熱還元法(クロール法)により工業生産されている.この手法は高純度のチタンが確実に製造できるが,還元工程で析出するチタンが反応容器内壁に固着するため連続生産が困難で,バッチ式の製造プロセスを余儀なくされている.また,TiCl_4のマグネシウム熱還元反応が強烈な発熱反応であるため,反応を制御するために生産速度が大きく制限されている.近年,チタンの需要は急激に増大しているが,クロール法による生産性の向上は限界に達しており,チタンの更なる普及のために安価で生産性の高い新しい製造プロセスの開発が求められている. 以上の背景を踏まえ,本研究ではクロール法の短所である生産性の低いバッチ式の還元工程を高速化あるいは連続化することを目的とした.具体的には,クロール法に比べより反応熱の小さいチタンの低級塩化物(TiCl_x, x=2, 3)のマグネシウム熱還元法(サブハライド還元法)を基盤とするチタンの高速・連続製造プロセスを開発した.このプロセスでは,還元反応に伴う発熱が大幅に低減され,凝縮相を利用して反応熱を速やかに除去できるため高速化・連続化が可能である.また,クロール法では利用できないチタン製の反応容器が使用でき,容器からの汚染を効果的に防止できる. 平成18年度は,溶融塩を媒体とした低級塩化物の製造プロセスの開発に注力した.これまではTiC_4と金属チタン(チタン・スクラップ)を反応させて低級塩化物を製造する場合,反応の効率が低い(反応率42〜45%)という問題があったが溶融塩(MgCl_2)を反応媒体とすることで反応の効率を高められることがわかった(反応率80〜93%).また,溶融塩中でTiCl_x、を濃縮する技術も開発し,本プロセスが原理的に可能であることを実証した.
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Research Products
(2 results)