2006 Fiscal Year Annual Research Report
自律型水中ロボットを用いた水中環境の3次元画像マッピング手法
Project/Area Number |
06J10613
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
巻 俊宏 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自律型水中ロボット / AUV / 画像観測 / 海底 / 測位 / 経路計画 / パーティクルフィルタ / 水中 |
Research Abstract |
自律型水中ロボット(Autonomous Underwater Vehicle, AUV)が海底面の画像観測を行うために必要とされるナビゲーション手法を開発し、水槽実験および実海域実験によってその有効性を検証した。開発した手法の概要を以下に示す。 1)リアルタイムかつ高精度な測位手法:水中ではGPSが使用できず、また従来の音響測位手法は精度や安定性が不十分である。そこでAUVに搭載したプロファイリングソーナーにより海底に設置された音響反射材を発見するとともに、これら音響ランドマークに対して相対的に測位する手法を開発した。パーティクルフィルタによる確率的推定を採り入れることでセンサノイズに対するロバスト性を高めている。 2)周辺環境に基づく動的経路計画手法:観測経路はあらかじめ指定されているが、安全かつ効率的に観測を行うためには周囲の環境に応じてリアルタイムに経路を変更する必要がある。本手法では観測されたランドマークや地形の起伏に応じて、ランドマークに接近してこれを画像観測し、衝突を回避し、また起伏の激しい地形においても衝突しないように経路計画を行う。 開発した手法の有効性を実海域で検証するために、AUVトライドッグ1号を平成18年11月1日〜2日に琵琶湖の安曇川沖(水深約90m)へ、平成19年3月14日〜17日には鹿児島湾たぎり噴気帯(水深約100m)へ展開して観測実験をおこなった。どちらの実験においてもトライドッグ1号は完全に自律的に安定した観測行動を行い、多数の海底写真を取得することに成功した。今後はこれらの実験で取得したデータをもとに提案手法の改善を進めると同時にトライドッグ1号のハードウェア改良も行い、2007年8月に再びたぎり噴気帯において実海域実験を行う予定である。
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