2006 Fiscal Year Annual Research Report
16世紀後半オスマン朝における商業と物資流通:イスタンブルを中心に
Project/Area Number |
06J10651
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤井 一彰 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | オスマン朝 / 地中海 / 食料供給 / イスタンブル / トルコ |
Research Abstract |
研究実績としては、まず論文の執筆があげられる。具体的には、『オリエント』に、澤井一彰「トルコ共和国総理府オスマン文書館における「枢機勅令簿Muhimme Defteri」の記述内容についての諸問題-16世紀後半に属する諸台帳を事例として-」を発表した。また、『歴博』には、「イスラーム世界の湯屋・風呂屋:ハンマーム」という題で小論を掲載し、イスラーム世界における風呂屋であるハンマームを紹介するとともに、日本の湯屋・風呂屋とハンマームとの比較を試みた。さらに、『日本中東学会年報』にも「16世紀後半イスタンブルへの人口流入とその対応策」を投稿した。 学会発表では、2006年7月9日に行われた、国際商業史研究会において「1586年における黒海沿岸アマスラ近海の海難事故-商業史研究における海難事故史料の重要性-」と題する報告を行った。また、2007年5月には、トルコ共和国のイスタンブル大学文学部において実施される学会においてトルコ語で発表を行う予定である。 昨年は、論文の執筆以外に、博士論文作成の前提となる史料調査を精力的に行った。留学先であったトルコ共和国以外の、とりわけヨーロッパ諸国の各文書館に保管されている関係史料の調査及び収集は、本研究を遂行する上で不可欠の作業である。具体的には、2006年8月にドイツのベルリンにおいて史料調査を行い、関係史料のマイクロフィルムを入手した。また、2007年の2月から3月にかけての時期には、オランダ、ベルギー、ポルトガルおよびスペインの各文書館においても同様の作業を行った。 以上が研究実績の概要である。
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Research Products
(3 results)