2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J10679
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 玲峰 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 可積分系 / 結晶基底 / アフィン量子群 / 超離散化・トロピカル化 / コストカ多項式 / フェルミ型公式 / Kirillov-Reshtikhin全単射 / rigged confiruration |
Research Abstract |
研究員は著名な離散可積分系である箱玉系と、表現論ないし組み合わせ論の分野で重要なフェルミ型公式について研究を行った。両者は元来異なる理論として別個に研究が進められてきたものであるが、今回両者を統一的に記述する理論的な枠組みを得ることができた。より詳細に述べると、コストカ多項式に対する明示公式すなわちフェルミ型公式が成立する根拠となっているKerov-Kirillov-Reshetikhin(KKR)全単射の表現論からの解釈を与えた。KKR全単射はこれまで組み合わせ論的な解釈しか知られていなかったために、今回の結果はアフィン量子群の有限次元表現論にとり意義のある結果となっている。応用として、KKR全単射は箱玉系の逆散乱形式を与えていることが判明した。更に、KKR全単射の区分線形公式を導出した。この公式はソリトン理論から生じるものであり、いわゆるタウ関数を用いて表示される。特にタウ関数が(フェルミ型公式であらわしたときの)コストカ多項式の超離散化とみなせる点が興味深い。またこの公式の応用として、長年の懸案であった箱玉系および周期箱玉系の一般解の構成に成功したことも特筆すべきことであると思われる。
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Research Products
(4 results)