2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J10805
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮地 麻里子 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 電気化学 / Photosystem I / ITO / 太陽電池 / 光電極 / 光電池 / 金属錯体 / 光合成 |
Research Abstract |
自然界の光合成システムの構成要素であるPhotosystem I(PSI)を光電池の光電変換部として利用することを目的として、PSIをITO電極に固定化するための新規分子配線を考案し、PSIを固定化させた光電極を作製した。 PSIは約100%の量子収率を示すことから、PSIを光電変換部として利用することで量子収率の高い光電池の実現が期待できる。このため、PSIとITO電極との接続機能を有する新規分子配線を設計し、合成した。新規分子配線中のナフトキノン部位は、PSI中のキノンポケットに存在するVitamin K_1と置き換わること(再構成)でPSIと接続し、テルピリジン部位は、ITOに修飾させたテルピリジン部位を有する分子と錯形成することで、PSIがITO上に固定化されることが期待された。 上記分子配線単体のITO基板上への固定化を、サイクリックボルタンメトリーにて確認したところ、テルピリジン部位で錯形成した金属のレドック不を観測し、ピーク電流値が掃引速度に比例したことから、上記分子配線がITO基板上に固定化されたことを確認した。 続いて、上記分子配線を用いたPSIの再構成を波長701nmの光吸収により確認した。PSIからVitamin K_1を除去した結果、吸収が減少し、新規分子配線で再構成した結果、吸収が増加したことから、PSIがこの分子配線で再構成されたことを確認した。 次に、この再構成PSIのITOへの固定化を電気化学測定、TEM観察により確認した。微分パルスボルタンメトリーにより、クロロフィル由来のレドックスを確認したことから、再構成PSIのITOへの固定化が示唆された。また、TEM観察により、PSIと同サイズである粒径約10nmの球状物がITO上に存在するのを確認した。EDX測定により、この球状物はPSIであると同定でき、PSIのITO上への固定化が確認できた。
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Research Products
(1 results)