2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J10805
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮地 麻里子 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 電気化学 / Photosystem I / ITO / 太陽電池 / 光電極 / 光電池 / 金属錯体 / 光合成 |
Research Abstract |
表面ボトムアップ法で作製した一次元錯体オリゴマーはレドックス活性なd軌道を有し、光電子移動に有効に働くことが期待される。そこで、光受容体であるポルフィリン誘導体とITOとをテルピリジン錯体で連結した光電極を作製し、光電気化学特性評価を行った。得られた電極に波長410nmの光を照射した際、光のOn、Offに応答してアクション電流が得られた。光電変換特性は、テルピリジン錯体の中心金属の種類に依存し、中心金属を鉄、コバルト、亜鉛と変化させた結果、光電変換特性は、コバルトを用いた際に最も良い特性を示した。コバルト錯体はポルフィリンのS_0-S_1間にレドックス活性なd軌道準位を有することから、このレドックス活性なd軌道が光電子移動に有効に働いたと考えられる。以上の内容について、学会誌Chemistry Lettersおよび日本化学会にて研究成果を発表した。 また、分子電線と自然界の光合成システムの構成要素であるPhotosystem I(PSI)を光電池の光電変換部として利用することを目的として、PSIをITO電極に固定化するための新規分子配線を考案し、PSIを固定化させた光電極を作製し、その光電気化学特性を評価した。合成した分子電線を用いてITO電極にPSIの固定化を行なった。得られた修飾ITO電極は、Native PSIと同様の可視吸収スペクトルを示し、ITO電極へのPSIの固定化が示唆された。このPSI固定化ITO電極を用いて光電気化学測定を行なったところ、波長600-800nmの光を照射した際に光電流が得られ、PSIの吸収スペクトルと類似した波長依存性を示したことから、PSI由来の光電流が得られたと考えられる。 以上、今年度において、分子電線を用いた人工系および生体系の光電変換システムを作製し、分子電線が光電子移動に有効に働くことを実証した。
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Research Products
(1 results)