2007 Fiscal Year Annual Research Report
グラム陽性細菌由来カルバゾールジオキシゲナーゼの電子伝達メカニズムの解明
Project/Area Number |
06J10883
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 謙吾 The University of Tokyo, 生物生産工学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 微生物 / 酵素 / 酸化還元 / 電子伝達 / ジオキシゲナーゼ / 構造解析 / タンパク質立体構造 / 親和性 |
Research Abstract |
グラム陽性細菌Nocandioides aromaticivorans IC177株、Sphingomonas sp.KA1株、Pseudomonas resinovorans CA10株、Janthinobacterium sp,J3株はそれぞれ、classIIB、IIA、III IIIに分類されるカルバゾールジオキシゲナーゼ(CARDO)を持つ。これらの株由来CARDOの3つの各頴ンポーネント(CARDO-O、-F、-R)を精製し、それらを用いたin vitroでの再構成系にて、それぞれのクラスの各CARDOコンポーネントを入れ替えて活性検定を行い、互換性を解析した。その結果、CARDO-OとCARDO-F間には本来の組み合わせでのみ効率的な電子伝達が行われることが明らかになった。ClassIIBのCARDO-Fの酸化還元電位についてcyclic voltammetryを用いて測定したところ、-185mVと同類酵素の既知の酸化還元電位とかなり近い値であったことから、電子伝達互換性を決定する要因として酸化還元電位ではなく、タンパク質問の親和性であると考えられた。次に、Class IIBのCARDO-Oと-Fの二つのタンバク質の立体構造を決定し、得られた最終構造を用いてCARDO-Oと-Fのドッキングシミュレーションを行い、結合時の立体構造を予測した。タンパク質間の結合に重要な、静電的相互作用、疎水性相互作用、及び水素結合を形成するアミノ酸を、すでにCARDO-Oと-Fの複合体(結合した状態の立体構造)が明らかになっているclassIIIのものと詳細に比較した結果、立体的な位置が両者でよく保存されていたアミノ酸残基が認められた一方で、異なるアミノ酸残基がいくつか見出された。これら立体位置保存性の低いアミノ酸残基こそがCARDO-Oと-F間の高い特異性を生んでいることを示唆していた。
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Research Products
(5 results)