2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J10902
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 継之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | TEMPO / セルロース / ナノファイバー / 湿潤紙力 |
Research Abstract |
木材セルロース、コットンセルロース、バクテリアセルロース、ホヤセルロース等の天然セルロース試料にTEMPO触媒酸化を適用し、酸化生成物の基礎特性(カルボキシル基量とその分布、結晶化度、結晶サイズ、形態等)を解析することで、天然セルロースのTEMPO触媒酸化について全体像をまとめることが出来た。この成果については、学術雑誌「Carbohydrate Polymers」にて発表した。 また、TEMPO触媒酸化によって表面化学改質された天然セルロース(木材、コットン等)を、ミキサーや超音波ホモジナイザー等を用いて水中で微細化処理することにより、直径4nm程度の高結晶性ナノファイバーの透明水分散液を調製することに成功した(学術雑誌「Biomacromolecules」にて発表)。本研究はフランスの植物高分子研究所(CERMAV-CNRS)との共同研究として進めた。 また、木材漂白パルプ繊維に対するTEMPO触媒酸化の検討において、繊維表面のアルデヒド基量が特異的に増加する条件を見出した。繊維表面のアルデヒド基は繊維間でヘミアセタールを形成可能なため、このTEMPO触媒酸化パルプから作製したシート(紙)の湿潤強度は増加することが分かった(学術雑誌「Colloids Surfaces A」にて発表)。さらに、このTEMPO触媒酸化パルプの水分散液に各種水溶性高分子を添加することで、作製されるシートの湿潤強度はより大きく増加した(学術雑誌「Industrial & Engineering Chemistry Reserch」にて発表)。
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