2006 Fiscal Year Annual Research Report
中国大陸と香港の関係、特に中国政治の民主化における香港の役割の研究
Project/Area Number |
06J10986
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
倉田 徹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中国 / 香港 / 政治 / 一国ニ制度 / 民主化 / 越境 / 自治 / 選挙 |
Research Abstract |
この研究では、「一国二制度」方式の下で、中国大陸と香港がどのような関係を築くか、特に香港が中国政治の民主化にどのような役割を果たすかについての研究を進めており、18年度は香港での情報収集に重点を置いた研究活動を行った。主として香港大学図書館及び香港中文大学中国研究服務中心での文献収集と、香港政界・学界・メディア関係者へのインタビューを行ったが、特に課題の一つとして挙げた香港メディアの中国大陸への影響力について、香港メディア関係者がどのような形で大陸の政治的問題を取材しているのか、また、それが中国政治に対してどのような影響を与えているのかを、記者への直接のインタビューによって知ることができた。また、中国大陸における香港メディアの情報の受容についても、統計的資料や過去の研究などの情報を入手することができた。これらの研究の成果は、近く学会での口頭発表や、雑誌への掲載によって公表される予定である。 また、研究の具体的内容として計画していた、広東省と香港の行政的関係の処理についての研究は、主として香港紙の報道内容を分析する作業を行い、中国・上海交通大学でのシンポジウムにおいて18年9月に発表するに至った。 これらの研究成果を、香港と中国大陸の間で擬似国境を越えて相互に影響を与え合う「越境現象」として分析し、過去の研究実績と合わせて博士論文にまとめる作業も順調に進展しており、19年度中の論文完成を目標に執筆を行っている。
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