2006 Fiscal Year Annual Research Report
製薬企業における研究開発活動の生産性・創造性を向上させる経営環境に関する研究
Project/Area Number |
06J11061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴山 創太郎 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 製薬 / 研究開発 / ナレッジ・マネジメント / 多様性 / ネットワーク分析 / 医薬品 / 国際情報交換 / 多国籍 |
Research Abstract |
本研究では、製薬産業のR&D活動に焦点を当て、R&D生産性に影響を及ぼす要因を解明すると共に、R&Dマネジメントに関する示唆を提言することを目的としている。2年間の研究計画の前半に相当する本年度には、以下の作業を実施した。 1.国内製薬企業におけるフィールドワーク 本研究では、製薬企業の研究開発者を対象としたサーベイ・データを基に分析を行う計画であるが、本年度はサーベイの実施に先立ち、先行研究の調査、作業仮説の構築、調査票の作成、調査対象者の個別インタビューを実施した。先行研究調査、国内製薬企業におけるインタビュー等を通じて、研究開発者の有する専門知識の多様性・熟練度、研究者間のネットワークなどが研究成果に重要な影響を及ぼすことが示唆されたため、これらの要素とR&D生産性との因果関係、および、これらの要素に影響を及ぼす環境に焦点を当てて調査設計を行った。 2.データベース分析 本研究では上述のサーベイ・データと共に、研究論文・特許等に関するパブリック・データを組み合わせて分析を行う計画である。本年度には、これらのデータの利用可能性を検証するために、パブリック・データのみを利用して前述の仮設検証を試みた。その結果、「研究者個人のレベルでは、ある程度限定された範囲の専門性に集中特化して経験を積むことが望ましく」、また、「研究者個人のレベルでは保有し得ない幅広い範囲の専門性については、研究者間のネットワークを介して入手することが望ましいこと」が示唆された。 3.海外製薬産業におけるフィールドワーク 上記の国内製薬企業におけるインタビューに加えて、海外の製薬産業の産業環境を調査するために、米国・欧州(英仏)・アジア(中国)の3極において業界・学界のフィールド調査を実施した。 4.国内製薬企業の事例分析 第1項で述べた調査対象企業におけるフィールドワークを通じて、同企業の置かれた経営環境やマネジメント施策を分析し、事例研究として論文に纏めた。
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Research Products
(1 results)