2006 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性インジウム錯体の創製と触媒的不斉合成への展開
Project/Area Number |
06J11075
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原田 真至 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 触媒的不斉反応 / 触媒的不斉合成 / インジウム / マンニッヒ / アルキン / ピロール |
Research Abstract |
非常に汎用性の高いエステル等価体N-アシルピロールを求核剤とする直接的触媒的不斉マンニッヒ型反応に有効であったインジウム触媒をその他の求核剤、求電子剤を用いる不斉反応へと展開していく上で、様々な基質に対して適用できる汎用性の高い配位子としてデザインした光照射による分子スイッチングが可能な配位子の開発に着手したが、種々検討の後にも想定していたような効果は得られなかった。そこでまずは既存の触媒系のチューニングを行った。その結果trialkylindiumを用いることで、既存のIn(O-iPr)_3を用いる触媒系では実現不可能であったN-propionylpyrroleを基質とする直接的触媒的マンニッヒ型反応の開発に成功した。続いて、アルキン類を求核剤とする反応開発に着手した。非常に安価な2-methyl-3-butyn-2-olをアセチレン等価体の基質として設定し検討を行った結果、当研究室で開発された種々のアルキン類に適用可能であった3価インジウム触媒では反応はほとんど進行しなかった。末端アセチレン保護基部位の立体障害により、インジウムによるアセチレンの活性化がうまく機能していないと考え、配位子を添加することでインジウム中心の立体環境を調整することとした。その結果2,2'-biphenolを用いた場合に劇的な配位子加速効果がみられ、さらに光学活性な配位子として(S)-BINOLを用いた場合に反応性を損なうことなく高エナンチオ選択的に目的物が得られることを見出した。種々の芳香族アルデヒドおよび脂肪族アルデヒドが求電子剤として適用可能であり、いずれも良好な収率、選択性にて目的物が得られた。また40mmolスケールにおいても反応性、選択性共に問題なく進行した。生成物の脱保護条件の改良も行い、準量論量にまで塩基の量を減じても、既存の方法と同等の収率にて保護基の除去を可能にした。
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Research Products
(1 results)