2007 Fiscal Year Annual Research Report
Riemann面上の平坦接続のモジュライ空間の幾何的量子化と写像類群の表現
Project/Area Number |
06J11101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 玄 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Riemann面 / 幾何的量子化 / 位相的場の理論 / Heisenberg群 / 3価グラフ |
Research Abstract |
今年度は昨年度定式化した共形プロックの空間へのHeisenberg作用の3価グラフを用いた構成についての研究を引き続き行った。具体的な成果は以下の通りである。 Blanchet-Habegger-Masbaum-Vogelらによるskein理論に基づく(2+1)次元の位相的場の理論におけるHeisenberg作用の表現行列の明示的な表示を計算し、それが昨年度定式化した「外線条件」をみたすことを確認した。さらに、表示が外線条件を満たすという事実とVerlindeの公式および初等的な数え上げの議論のみを用いて、Heisenberg作用の指標の具体的な公式を得ることができた。ここで得られた公式を用いることで、理論の状態空間へのHeisenberg作用の同時固有空間への分解の次元公式も得られる。昨年度までは3価頂点のみを持つグラフに対する定式化しか得られていなかったが、本年度は全ての(1-3)価グラフに対して-様に定式化することができた。ここで得られた公式はBlanchetらおよびAndersen-Masbaumが(閉曲面に対応する)3価グラフの場合に得た結果の拡張となっており、公式自体も1価頂点がない場合のものに1価頂点から決まる(0,1,-1に値をとる)定数をかけあわせたもとという非常に自然な形をしている。ここでの結果はSU(2)-理論に対するものである。高階の構造群に対する結果が、modular圏の枠組みでBlanchetにより得られている。上述のグラフを用いた組み合わせ的なアプローチにより高階の場合を考察することも考えられる。
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