2007 Fiscal Year Annual Research Report
大脳新皮質層形成におけるPDK1-Akt経路の機能解析
Project/Area Number |
06J11169
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 靖浩 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ニューロン移動 / Akt |
Research Abstract |
発生期の哺乳類大脳新皮質において、未分化な細胞から分化したニューロンは生まれた部位から非常に長い距離を移動して目的地に到逹することにより、緻密な層構造を形成する。申請者の前年度までの研究により、PDK1-Akt経路がマウス大脳新皮質においてニューロンの移動を制御し、それに伴った大脳新皮質における層構造形成に重要な役割を果たすことが示唆されていた。しかし、PDK1の下流で活性化するセリンスレオニンキナーゼAktがどのようにニューロン移動を制御するかは明らかになっていなかった。 ニューロンの移動には微小管が重要な役割を果たすことが知られている。そこで、PDK1ノックアウトマウス脳を用いて生化学的あるいは細胞培養系を用いた解析を行なったところ、PDK1が微小管安定性を制御することが明らかになった。この結果はPDK1-Akt経路が微小管制御を介してニューロン移動に必須の役割を果たすことが示唆される(学会発表1、2)。 申請者の前年度までの研究よりAktの基質として知られるp27がニューロン移動に重要な役割を明らかにした。しかしながら、p27がニューロン移動制御においてAktの基質として機能しているかどうかは不明であった。そこで、Aktの下流でのp27の役割に注目し解析を行なったが、これまでのところそれを示唆する結果は得られていない。Aktはp27以外のタンパク質のリン酸化を介してニューロン移動を制御していると考えられ、現在その候補分子の検討を行っている。
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Research Products
(2 results)