2006 Fiscal Year Annual Research Report
有向マトロイドの代数幾何的実現可能性解析とその離散最適化への展開
Project/Area Number |
06J11185
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 裕貴 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 有向マトロイド / 実現可能性判定 / 多項式最適化問題 |
Research Abstract |
本研究では,有向マトロイドの実現可能性判定問題について,以下のような成果を挙げた. 1.有向マトロイドの実現可能性を示す性質については,既存の性質solvability sequenceおよびnot-isolated elementを実装し,実現可能な有向マトロイドの列挙を行った.その結果,有向マトロイドがsolvability sequenceを持ち,かつすべての要素がisolatedであるという,ランクが3の場合では起こりえないことが,ランクが4の場合に実際にそのような例が存在することを確かめた. 2.有向マトロイドの実現可能性を示す新たな方法として,solvability sequenceの極小reduced systemを利用し,多項式最適化問題(POP)と見なして解く方法を提案した,その方法においてはPOPソルバーSparsePOPを用い,SDP緩和問題として解くことでその実現を得た, 3.互いに異なる有向マトロイドが移りあう操作であるmutationを,非一様な場合も含めて考え,全ての有向マトロイドの関係をグラフで表す一般化mutationグラフを導入した.これに基づき,非一様な有向マトロイドを更に退化の程度で分類することを提案し,その実現可能性についてより詳細な解析を行った.また,より小さなサイズのPOPを解くことで,有向マトロイドの辺に沿って実現可能性の判定を行う手法を提案し,上記(2)では判定することの出来なかったものの一部について,実現可能な有向マトロイドを得た.
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