2006 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚表面状態観察に基づく人間-環境インターフェースの開発
Project/Area Number |
06J11193
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 泰才 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | マン・マシンインタフェース / 筋電計測 / センサネットワーク / 2次元通信 |
Research Abstract |
本研究では、前腕部の筋電分布を計測し、手指の動作推定を行うことによるマン-マシンインタフェースを提案している。一般的に、筋電信号から手指の動作を精細に推定する場合には、多点での計測が望ましい。しかし多点計測時には配線が煩雑になり、手腕の動作が阻害されてしまうという問題を伴う。本研究では、配線の代替として"2次元通信"という新しい通信技術を用いることにより、配線の煩雑さを解消することを提案している。 本年は、通信シートにセンサを配置する際に、シートとセンサとの間に電気的な接点を必要とせず、安定して接続するための手法"共鳴近接コネクタ"を提案した。シートとセンサの間に半田のような硬い接続が存在しなくなるため、シートの変形時に応力集中が生じず、壊れにくいシステムを実現可能になる。"共鳴近接コネクタ"はまた、コモンモードノイズの低減にも有用である。これは、センサユニットが電気的な接点を持たないために、センサユニットを電気的に孤立させた状態で駆動できることによる。この利点により、筋電信号のような微弱な電位差をノイズの影響を少なく測定することが可能となる。試作機により、孤立したセンサユニットを用いることで、筋電信号を十分なS/N比で計測できることを確認した。 これら成果は国内外の会議において発表した。本年度の発表は、国内学会4件、査読あり国際学会3件(うち1件はポスター発表)である。このうちSICE SI2006において発表した、「筋電分布計測によるハプティックインタフェース」が優秀講演賞に選ばれた。またこれら学会発表とは別に、東京ビッグサイトにて開催された「センサエキスポジャパン2006」においてポスター展示を行った。また、週刊ファミ通誌の取材を受け、「ゲームの未来はこうなる」という特設記事内において紹介された。
|