2007 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚表面状態観察に基づく人間-環境インターフェースの開発
Project/Area Number |
06J11193
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 泰才 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 二次元通信 / 筋電計測 / マン・マシンインタフェース / センサネットワーク |
Research Abstract |
本研究では、前腕部分の筋電位分布を計測することで、手指の動きを推定するシステムを提案している。既存の技術を用いた場合、筋電計測用センサへの配線が多くなり、快適に着脱可能なシステムの実現は困難であった。本研究では、配線の代替として"2次元通信"という新しい通信技術を用いることを提案している。この技術により、柔軟体上にセンサを高密度かつ無配線で配置できるため、リストバンド状の筋電計測センサアレイの実現が見込まれる。 昨年度は、柔軟なシートヘセンサを接続するためのコネクタとして"共鳴近接コネクタ"を提案した。この近接共鳴コネク〃においては、シートの厚み方向の変形に対し、接続状況が変動しにくいということを目的として設計を行っていたが、実際にはシートの変形に対応して、接続状況が大きく変動していた。その結果、安定した通信及び給電の実現が困難であった。 本年度は、この近接共鳴コネクタの改良を行い、より安定したシートとコネクタとの接続を実現した。具体的には、4分の1波長のサイズを持つ電極をシート内で一直線上に伸展させる方法を提案した。従来手法では、コネクタに対して等方的に伝搬する波動場にのみ結合していたのに対し、新手法では方向性を持ったモードの波動にも結合することにより、取得可能な電力が10倍程度増加した。 このように安定して結合可能なコネクタを用い、シートを介してマイクロ波による給電、及び筋電信号の伝送を実現した。独自のプロトコルを搭載したセンサユニットを試作し、2チャンネルのセンサ素子においてデータが伝送されることを確認した。 これら成果は、国内外の会議において発表した。本年度の発表は、国内学会2件、査読あり国際学会2件である。また昨年度、第7回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会にて発表した、"筋電分布計測によるハプティックインタフェース"によって、研究奨励賞を受賞した。
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Research Products
(5 results)